その解釈あっていますか?
勝手に落ちこんでしまう
「またやってしまった……」
新卒社会人のB子さんは、帰り道の駅のホームで深くため息をつきました。きっかけは、午後のオフィスでの何気ないやり取りです。
上司:「B子さん、頼んでた仕事できた?」
B子:「あ、今6割ほど済んでいます」
上司:「そう。じゃあ、こっちの別の仕事を先にやって」
たったこれだけのこと。でも、B子さんの頭の中は嵐のようでした。
(今の「そう」は、ため息混じりだった? 遅いってあきれられたのかも。
別の仕事に回されたのは、もう私に期待してないから? どうしよう、嫌われちゃったかな……)
一度考え出すと止まりません。
怒られたわけでもないのに、胸がギュッと締め付けられ、午後の仕事は手につきませんでした。
「事実」と「感情」の糸をほどいてみる
その夜、3つ年上の姉と食事をした時のことです。理系出身でいつも淡々としている姉は、落ち込むB子さんの話を聞いて、お箸を置くとこう言いました。
姉:「B子、それって『事実』と『解釈』がごちゃ混ぜになってない?」
B子:「え? どういうこと?」
姉:「起きた『事実』は、仕事の進捗を聞かれて、別の指示が出た。それだけ。
でも、B子はそこに『怒っている』『失望された』っていう自分の『解釈』を付け足して、勝手にダメージを受けてるでしょ?」
B子:「……そう言われてみれば、上司は『遅い』とは一言も言ってない。
口調もいつも通りだったかも。
でも、何を考えてるか分からない人だから、つい悪い方に……」
姉:「相手の顔色を伺って不安になるのは、B子の優しさかもしれないけど、それって『相手の脳内を勝手に捏造してる』のと同じだよ。
もし本当に改善が必要なら、上司は言葉にして伝えてくれるはず。伝えてこないなら、問題なし。そう割り切ってみたら?」
B子:「私の、考えすぎなのかな……」

答え合わせをする勇気
姉は少し笑って続けました。
「一人でうじうじ悩んでパフォーマンスが落ちる方が、もったいないよ。
どうしても気になるなら、明日聞いてみれば?『先ほどの指示ですが、私のペースが遅かったでしょうか?改善点あれば教えてください』って。
もし遅かったなら次は早くすればいいし、考えすぎならそれで安心できるじゃない。新人なんだから、確認して怒る人はいないよ」
B子:「そっか。勝手に決めつけて怖がるより、聞いちゃう方がずっと楽かも……」
優しい人ほど要注意!
優しい人、感受性が豊かな人ほど、相手の表情や声のトーンから「非言語のメッセージ」を受け取ることが得意です。それは素晴らしい共感力ですが、時に「察しすぎて、自分の首を絞めてしまう」という副作用もあります。
相手の沈黙や短い返事を、自分のせいだと「思い込む」のは、あなたの心のエネルギーを大きく消耗させてしまいます。
それは本当に起きた「事実」ですか?
自分の「解釈(思い込み)」が混ざっていませんか?
もし不安に飲み込まれそうになったら、一度この言葉を自分に投げかけてみてください。
「わからないことは、直接聞いて確認していい」。
そう自分に許可を出してあげるだけで、明日からの仕事が、少しだけ軽やかになるはずですよ。
まあ、このB子さんほぼほぼ私なんですけどね(笑)