自分の意見に賛成してほしい、
もっと協力してほしいと思う時ありませんか?
家庭でも職場でも使える説得の仕方をお伝えしますね。
説得が上手い人と下手な人の伝え方の違い
① 説得が下手な人は自分の感情を話そうとする
説得は誰にでもできることですが、間違いやすい部分でもあります。
例えばあるご家庭で夫が妻に
「釣り道具が欲しいんだよ。かっこいいんだよ。性能が良くて限定モデルなんだ。
この釣竿で釣りに行きたいんだよ」と言ったとします。
妻が釣りに興味がないパターンだと夫の訴える希少性がよくわかりません。
説得が上手な人は相手の感情を動かそうとする
「この釣竿が欲しいんだけど買っていい?釣りに子供たちを連れて行ったら自然と触れ合う機会になる。
君も一人でゆっくりできる時間が増える。
普段家のことばかりで大変でしょ?
子供たちにつった魚を図鑑で調べることで学習の基礎ができるよ。」
この説得だと、妻の立場から見ると嬉しいですね。
「え?釣り竿あれば子守してくれるの?」
と思います。
夫からのねぎらいの気持ちも含まれているから、釣り竿で妻も夫もウィンウィンの未来がありますね。
② 説得が下手な人の話し方 普段から相手を言い負かそうとする
「え?母親が家のことするの当たり前でしょ?みんなやっているよ。」
これは第三者の声が人を影響を与えるウィンザー効果という心理テクニックを悪用していますね。
不特定多数を主語にした言い方をされると
「みんなって誰よ!昔の常識持ってくるな」と
妻の怒りの導火線に火をつけて
大変なことになってしまいますね。
相手の顔に泥をぬるような言い方は
説得の仕方としては一番悪手ですね。
対話によって相手の自己重要感を高めて、
相手が自分からこちらの望む方向に
自ら動いてくれるようにするのが
上手な説得の作法です。
説得が上手い人の話し方 普段から自分の行動で相手の信頼を得る
何を言われるかより、誰に言われるかって重要ですよね。
自己重要感を高めてくれる人の話なら、
人は自然とイエスを出してしまいます。
知人の話で爬虫類を飼っているご夫婦がいます。
爬虫類って変温動物だから温度管理にお金がかかるそうなんですが、そのお家の奥さんは、
ご主人が普段から仕事や家のことに一生懸命なので、そのご主人の願いならいいと了承したそうです。
普段の行いや信頼される人、応援される人というのは、自分の願いが叶いやすいかもしれません。
情けは人のためならず、自分に返ってくるんですね。
③ 説得が下手な人 短期的に表面だけ見て相手にガッカリする
コミュニケーション研修をすると、「部下が何度言っても自主的に動いてくれない」とか、
「夫(妻)が協力してくれない」というお話をよく耳にすることがあります。
その歳まで生きてきた人の行動を変えるのは
本当に至難の業ですよね。
何度も何度も伝えて説得してある日気づいてくれると思った方がいいかもしれません。
言ってもやってくれないと「もういいや」と諦めたくなる気持ちはわかります。
ただ、小さな子供に「離乳食出したのに、ひっくり返された。だからもうご飯をあげない」
というわけにはいかないですよね。
子供はその時興味が他にあったかもしれない、お腹がいっぱいだったかもしれない。
「食べてくれないからもうやりたくない!」
そういう感情が出るのは理解できますが、実際に離乳食をあげないと、赤ちゃんは育ちません。
この面倒な作業は
コミュニケーションにも通じます。
何度もめげずに「行動を促す」ような声かけも
継続的に必要な措置かもしれません。
説得が上手い人 背景を知り尊厳を持って接する
私は10年以上前に退職した会社で、当時の上司に連絡を取りアドバイスをいただいています。
その元上司は司会や話し方、アナウンサーとしての技術もすごい方なんですが、
マネジメントや営業力もあり、出世の階段を駆け上がり偉い人になっています。
その時に
「部下の背景を知る、尊厳を持って接すること」と教えていただきました。
昔、営業の仕事をしていた時期、やる気がなさそうに見えた後輩がいたそうです。
何を話しても暖簾に腕押し「自分には無理です」の言葉ばかり、仕事には無気力のように見える。
すると、「家族が病気で倒れて大変な状況なこと、その後輩以外世話をできる人が身内にいないこと、
国や自治体への支援を求める事務作業も慣れなくてできなくて困っていること、
相談できる人もいない孤独な状況などが、分かったそうです。
そこで、元上司は会社として「介護休」を取りやすくするような制度を作って
積極的に休むよう呼びかけたそうです。
それから数年が経ち、
昔やる気がなさそう見えた後輩は、
過去最高売り上げを出すようなトップセールスマンになったそうです。
まるでドラマのようなお話ですよね。
そして人材を育てるのは時間がかかりますね。
これが元上司が仰っていた「背景を知る、尊厳を持って接する」ということだそうです。
「部下が人生のどのステージにいるのか、
結婚?子育て?介護?どんな課題を抱えているのか背景をよく考える。
一緒に働く仲間として尊厳を持って接するよう心がけている」とのことでした。
本当に素晴らしい、人柄もすてきな先輩なんです。
「どうしてやってくれないの?」と考えるよりも
「何がきっかけでこの人は動けないんだろう」と
考えることって対人関係では特に重要ですよね。
そして説得したい、人を動かしたいと思うなら、
普段から自分が相手にとってどれだけ貢献できるか、
そこを大事すべきですよね。
大事なのはこの人に頼まれたら動いてあげたいと
思われる存在になるよう、自分が努力することでしょうか。
今日の人を動かす説得のコツは
①自分ではなく相手の感情を動かすことに努める
② 普段から相手の信頼を獲得できるよう努力する
③ 部下の背景を知り尊厳を持って接するように努めるでした。